NEW DIMENSION LABORATORY

最近、とてもショックな現実を目にした。
いや、知ってしまった。

知らなかったのは自分だけだったのだろうか？


その噂を初めて耳にしたのは、
今年の5月頃だったと思う。
コリンザに沖縄市の図書館ができるらしい
ということを。


そのときは、ちょっと嫌な予感がしたけれども
だいぶ先の話、数年後の話だろうと思って、
あまり気にも留めていなかった。


ところが、である。


数週間前から、コリンザの非常用外階段が
工事用のシートで覆われ、
足場が組まれ、つい2、3日前から、
一階フロアーの一部が柵で仕切られ、
テナントのコールセンターの壁や入口も
養生の壁を張られていた。


しまった！と思ったときには

「　時すでに遅し　」である。











慌ててネットで調べてみると、
この計画は平成22年8月に
「沖縄市立図書館基本構想」として策定され、

「平成26年にコリンザを沖縄市が取得・改修し、
その一階部分は市立図書館として
利活用することが決定した」と

沖縄市図書館整備基本計画　
報告書に書かれてあった。
（平成27年3月　　沖縄市教育委員会）


そして、現在沖縄市上地にある市立図書館の
面積で現行の2.8倍、
蔵書数で約2倍、
移転整備費用に総額10億円以上かけ、

2016年4月供用開始予定であるらしい。


つまり、このことは、
中央パークアベニューをはじめ、ゴヤ・中央地区・

一番街・ゲート通り周辺のランドマークとして

建てられた複合ビルコリンザが

再び街の・商業の中心として復興・再興する道が
完全に閉ざされたことを意味する。

沖縄には図書館の無い自治体も多く存在するなか
総額10億円以上という
莫大な予算をかけて、商業の一等地に、
一時的ならまだしも、恒久的な公共施設をもって

くるという感覚に首をかしげざるを得ない。


たとえて言うなら、
那覇市の県庁前、国際通りの入口に複合ビル
パレット久茂地があるが、

そこのテナントにある　[ りうぼう ]　に
退去してもらい、
代わりに那覇市の公共施設を入れるとなったら、
那覇市民はいったいどう思うだろうか？


ちょうど目抜き通りの入口という位置関係、
劇場・駐車場を備えているところといい、

規模は違うがコリンザとよく似ている。

ただ違うのは、
一方が立地に適した役割を
ちゃんと果たしているのに
もう一方は、立地を無視した使われ方を
今まさにしようとしているところでしょう。


どうやら沖縄市の行政は、
コリンザを公共施設化したいようだ。

市街地・商業地の活性化より
公共の福祉・福利厚生を重視してしまった。

我々の知らないところで、ずっと選択を誤ってきた、
責任を取らない連中によって.......。


この自治体には圧倒的に人材が不足している。

もちろん、イベントを仕掛けて非日常を作り出し
それを成功させることのできる人間は大勢いる。

それはこの街の歴史が証明している。


私が言いたいのは、
日常を賑わし、人の流れ・動きを作り出す
都市デザインと
マーケティングのプロフェッショナル、
経営感覚を持った
責任感のある行政の人間のことである。

それもこの街の失敗の歴史を検証してみれば
わかることである。


今後、パークアベニューの2車線化、
国道330号線の拡幅工事が
始まると聞いている。

現在うまくいっている通り沿いの店舗・会社も、
立ち退きや移転をせまられることは
容易に想像できる。

車の往来・通り抜けには便利になったけれど、
人が歩かなくなった・歩きにくくなったでは
本末転倒ではないだろうか！

いったい誰のため、
何のための工事・開発なのだろう？

もしかすると、
すべてが、どこか我々の知らない所で
利権がらみですでに決められていて、

もう変更はまったくできないのかもしれない。


だとすると、この街は何かに呪われている
と言われてもしょうがない


心配だ......。

どんどん街が悪い方向にいっている気がする。




ここまで読んでくれた方に一曲プレゼント
チープトリックゴーストタウン


完成した当時のコリンザ